引越しがすみ、これから住むことになる町の図書館に最初に訪れたときはいつも哲学書のコーナーに寄ってしまう。
哲学書の書架でもっとも目を引く書籍のひとつが、岩波講座の哲学じゃないでしょうか。
よほど大きな図書館でない限り哲学書のコーナーってなんかまとまりがないし、その中で岩波講座の哲学は、全15巻と圧巻で比較的装丁が新しく、かたまりとして目に付くよね。
ほんと久しぶりに手にとって見たんだけど、2008年に第一刷発行ってなってる。
あれ、このシリーズってそんなに新しいものだっけ。まあ、いいや。
いま、この年になって改めて振り返ってみると、俺にとって哲学とはなんだったのか。
それはねえ、ひょっとしたらですが、学生のころの俺にとって、哲学ってひとつのエンターテインメントだった気がする。
ハードウェアがいらない、ビデオゲームみたいなものだったんじゃないかと思う。
論理的に可能である、というただそれだけのルールを守っていれば、想像力で世界のあり方を作り変えることができる。
そんな風にして、空想の部屋に閉じこもって遊んでいたような気がするなあ。
世界の始原、魂の不死、最高の幸福、究極の愛、etc
そして、とりわけ惹かれていたのは、ただ空想して遊ぶだけじゃなくて、いつかそれが現実化するかもしれないという期待があったからじゃないかと思う。
今の哲学はどうなんだろう。本当の哲学はどうなんだろう。
『岩波講座 哲学01-いま<哲学する>ことへ-』
読んでみた。刺激を受けた論考もあったけど、エンターテイメントとしての楽しさはなかったように思う。
これが本当の哲学なんだろうか。というか、哲学的な何か、なんだろうか。
Related Posts
カテゴリー: 哲学的な何か