行ってきました。プロジェクトモーフィアス体験会。
ニコンの一眼レフもってやる気満々でいったんだけれども、ゲーム画面の撮影はNGとのことで結局カメラの出番はなかった。
HMDを頭に載せてる人を無断で撮影するのも気が引けるし、その手の画像なら公式サイトが豊富ですしね。
さて、で肝心の体験した感想なんだけれども。
自分が体験したことを反省しながら、何とか言語化できるようにちょっとがんばってみます。
まず、最初に体験したのが、『The Deep』という数分間の映像コンテンツで、海中(深海というほどの深さはない)というシチュエーションで、檻のようなものの中からあたりを見回す、というもの。
移動はできないけれども、周囲360度を自由に見回すことができる。
周囲を見回すためにはコントローラー類は不要で、頭にかぶった装置(モーフィアスのこと)とプレイステーションカメラで頭の向きを検出している。
インタラクティブな要素は特にない。(光線銃のようなものが撃てるが、何かが破壊できるわけではない)
ただ、映像のところどころで、巨大なサメが現れて襲ってきたり、乗っている檻が壊れたりと、派手な演出がある。
これが、俺の初モーフィアス体験となる。
まず、モーフィアスの付け心地は思いのほか快適だったことをあげておこう。
重量もさほど重くもないし、顔の前面のスクリーン側もものすごく軽くて、不自由さは感じなかった。
ただ、めがねをかけて装着している分、めがねが顔に押し付けられる感覚は多少あった。
裸眼であれば原付用の軽量のハーフヘルメットをかぶっている、というくらいじゃないかと思う。
次に、ヘッドトラッキングの精度については、思ってた以上に感度がよくてこれも好印象だ。プレステカメラとの連動が利いているのだろうか。
頭を振って、映像がついてくる間のラグも、ほとんどなかったように思う。これが、映像世界の中にいる感覚をリアルにしている要因のひとつではないかと思う。
意外だったのが、下を向いたときに自分の体がCGで作り出されているんだけれども、これが案外自分自身の体を見ているような錯覚を感じたというところ。
これも、多少なりと映像との一体感に寄与しているものと思われた。
映像についても触れておこう。
まず、ほっとしたのが、単に大きい画面で視界を覆われているだけじゃないということ。つまり、ちゃんと立体視が利いている。
自分を取り巻く周囲の環境にちゃんと奥行きが感じられる。ただし、この点についてはもう少し補足が必要だ。
これは、たとえば、現実の野原の中に立って空間の広大さを感じる、というものとはやや異なる。
映像自体が海中ということもあるかもしれないけれども、この空間の感覚はモーフィアス(あるいはオキュラス)独自のものだと思った。
テーマパークのアトラクションを体験しているような感覚という表現しか思い浮かばないんだけれども、現実の空間から何かがマイナスされたような(それが何かははっきりしないんだけれども)独自の感覚だと思った。
それは決して、現実未満だといいたいわけじゃなくて、新しい現実感覚=仮想現実って事なんじゃないかと思う。
これについて、もう少し掘り下げてみようと思う。
まず、画質についていうと、想像していたほど高解像度ではなかったように思う。
もちろんHD画質には違いないんだろうけれども、PS3の後期のゲーム画面くらい(もちろんAAAタイトルだが)のクオリティではないかと思われる。
ディティールをよく観察すれば、テクスチャのそれとわかる、くらいの感じ。
けれども、これまた意外にも解像度はそれほどリアリティに影響がないように感じたのも事実だ。
つまり、そのくらいの映像でも、十分に没入間は作り出せるんだと思った。
それはひょっとすると、モーフィアスの体験というのは、現実の体験を不完全に模したものというよりは、仮想現実という新しい体験を提供するものだからじゃないかと思う。
たとえば、現実のハワイのオアフ島のとあるビーチに立っている感覚が、やや不完全に再現されている、というのではない。
そうではなくて、ゲームの中で作り出される世界に自分自身があたかもそのゲーム内の解像度で作られたキャラクターになって入り込んだ感覚、というほうがしっくり来る気がする。
現実の『私』と映像を隔てるスクリーン越しに本物らしい映像を見ているわけではなくて、『私』の前からスクリーンが取り払われているというその一点、正にその一点が今のモーフィアスの到達点なんじゃないかと思う。
普段よりずいぶん長めの記事になってしまったので、体験会についてはこのくらいで締めようと思う。
最後に、本体験会の目玉『サマーレッスン』についても述べておこう。
これ、人前じゃやれない。自室にこもって1人きりで遊びたい。
何なら、音声認識もいれてくれ。
家庭教師のポジションより、彼女のお気に入りのぬいぐるみ、という設定はどうか。
もちろん、彼女はお風呂にまでそのぬいぐるみを抱いて行くという設定だ。
さらにいうと、この手の技術を強力に推進させるのは、いつだって工口いやつらの底なしのパワーだ。
そこから洗練されて来たものがやがてアートや文化になっていくんだ。
プロジェクトモーフィアスの開発キットを是非一般にも開放していただきたい!